またね
「昨日前っちが付けてた香水て、アナスイだよね?」
「うん…そうだけど…」

「実は…彼女が来週誕生日なんだ… で香水でもプレゼントしょうと思って…」
翔太郎は頭を掻きながら照れて笑った…

彼女の誕生日プレゼント?その為に今日誘われたことに初めて気が付いた。

彼女の誕生日??

手足が痺れるように傷んだ…

そして、眠れない位に楽しみにしていた自分が悲しくなった…

暫く動くことも出来なかった。


「前っちぃ? どうした?」


私は今日の誘いがデートでないことを確信し、自分の独りよがりだったんだ…

私馬鹿みたい…

でもそんな気持ちを翔太郎にみすかれないように、馬鹿みたいにはしゃいで笑ってみせた。

そして、心とは裏腹に彼女へのプレゼントを真剣に選んだ…


「やっぱりこれだな!」


色々迷った挙げ句、翔太郎はアナスイの“スイラブ”を選んだ。


複雑な気持ち…


翔太郎が手にした香水は私と同じ香水だったから…



彼女と同じ香水…


貴方は気付いているの?
気付いていて同じ香りを選ぶの?


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