またね
「ごちそうさまでした!」
大げさにお礼を言うと翔太郎は私以上に大げさに

「ど――いたしまして!」

と 言った…私たちは可笑しくてお互いの顔を見合わせて笑った。

それからレコード店を見たり、雑貨屋を見たりして時間を使った。

楽しかった…


地下街の中心まで来ると、からくり時計が5時の音楽を奏でながらクルクルとかわいいダンスを踊っていた。

かわいい…


「なぁ…」

「何?」

「俺らて周りから見たらちょっとお似合いのカップルみたい見えてるよな…?」

それだけ言うと翔太郎は私の手を握り歩き出した… 
何?


何が起こっているのか暫く分からなかった…

私の右手は温かい…

私の右手は翔太郎の左手と繋がっていた…


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