またね
一時限目 機械工学


ノートは一応とってはみるけど…

頭の中は
昨日の小学校での出来事の事で一杯だった…


そして機械工学とやらも分からない…

難しい聞いたこともない単語が黒板には並べられて。

???????だらけで

全く分からない↓

必須科目だからここに座っていないわけにはいかないし…


学生の頃から物理や数学が苦手だったから…
黒板に並べられた文字は母国語と思えなかった…

この課程を選んだ自分を酷く後悔した。

暇をもて余して?
ノートの端に猫の落書きを書いた。

その吹き出しに

わからん↓

わからん↓全くわからん↓

声に出せない心の叫びを書いた…


猫の絵は何処か私に似ていた。

私は猫派だった…

一人でいるのが好きだったし、忠実に言われた事を守って、ご主人様に尻尾をふるタイプでもなかった…

気紛れで…

掴み所がない

素直に気持ちを出すことも苦手だった…


そして…落書きの最後に

『あなたの気持ちがわからない』

と付け足した…

顔をあげて翔太郎を見た。
翔太郎はそんな私に気付くことはなく振り向くことはなかった…


あなたの気持ちがわからない…


自分の気持ちもわからない…

虚しくなって、パタリとノートを閉じた…



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