またね
教場に入る時、翔太郎は不意に振り返り


「好きでもない奴と2人で映画なんて普通行くと?」


それだけ言って自分の席に向かって進んで行った。


好きでもない奴と映画行って何が悪いん?
自分だって…
好きでもない私と2人で横浜に行ったやん!


「翔ちゃんには関係ない…」


私は周りに聞こえない小さな声で呟いて、席に座った。
そして、篠崎に映画を一緒に見に行くことを告げた。

「ほんまぁ?!」


篠崎が大声で言うから、皆一斉にこっちを見た。

翔太郎はチラッとこちらに目をやり、直ぐに態勢を直して前を向いた…


「関係ない…」

もう一度呟いた…



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