またね
映画館のあるショッピングモールに着くとエスカレーターに乗って6階に上がった。


チケットブースには土曜日と言うこともあり長蛇の列が出来ていた。


「前っち あそこで待っといて!俺チケット買ってくるし」


ベンチを指差して言った。

「あ うん…」


篠崎は列に並びチケットを二枚買った。


「はい!」


篠崎は二枚あるチケットの一枚を渡した。


私は慌てて、カバンから財布を取り出した。


「ありがとう!篠いくら?」


篠崎は私を見て


「あ゛―忘れてもうた!」

「忘れた?な わけないやん!」


「良いって!時間ないし行こうや!!」


私を引っ張り歩き出した…

会場に入るとほぼ満席だった。


「えっ―と…Fの5と6」


足元だけが照らされた暗い通路を歩いて暫く行くと


「あったぁ―!俺って!天才―!」


「はぁ?もしかして?感でここまで来たん?」


「当然!!(笑)」


篠崎は笑った…


「篠って!ほんまにあほやなぁ―?!」

私も笑った…

篠崎の隣は心地よかった…


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