またね
寮を出る前に姿見でもう一度全身を映した。


翔太郎とは喫煙室の出来事以来、一度も言葉を交わすこともなければ、目を合わすこともなかった…
避けられてる気がしていた…


どんな顔をして逢えばいいのだろう?


不安な気持ちが胸をよぎった。

鏡に映る自分に笑ってみた…

上手く笑えていない。ひきったような笑いだった…


寮を出ると外は2月には珍しく粉雪が舞散っていた。


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