またね
いつものように…
講義は始まった。

――でも

私は朝のひとみの言葉を何度も心の中で繰り返していた。悪魔の呪文のように

考えたくもなかったし…
私には関係ないことなのに…


「翔ちゃん、彼女とラブラブだよ!」


そぅかぁ… 彼女いたんだぁ↓ 幸…
だからいつも昼休みは電話かけに屋上に上がってたんやね
そう言えば、翔太郎の携帯のアンテナには二つで一つになるマスコットが付いていて…


私には関係ない!!

ど―だっていい!


なのに…
何でこんなに胸が痛いんだろう…


そんな事を考えいたら前から小さく折り畳んだメモが回ってきた…


「ん?」


「前っちに だって!」


あの自己紹介の一件以来、妙に馴々しいけど学生の中でリーダー格の力也が

「前っち」

と呼び始めたので、私はひとみ以外には前っちと呼ばれていた。


…誰から?

5日たった今も私にはひとみ以外の親しい友達はいなかった。

そのひとみは私の後ろで数人のグループと楽しそうに週末の話しで盛り上がっていた。

ひとみじゃないのは確かなんだけど…

恐る恐る開いてみた


「えっ!?」


私の指先は震えた…
身体中の血液が顔に集中して熱くなった…





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