ちっぽけな空
1.生きるということ
生まれ落ちたときから、すでに万人に決まっている運命。
 遅かれ早かれ、私たちは、死ぬ。
 たとえば、歴史の教科書。
 私たちがテストのためにのみ覚える偉人も
       「没」
 この一文字で締めくくられその生涯を終えてしまうのだ。

 そう、私たちは、緩やかに、確実に、死を迎える。
 私たちの祖先が、そうであったように、確実に、だ。

 私は昨日15歳になった。
 先駆者と同じで、私もまた、着実に、死に向かって歩いている。

 私がそう思うようになったのは、祖父の死を目の当たりにしてからだ。
 あれは――そう、3年前の、夏休みのことだった。
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