サミシイカラ…ウソツキ
それはあたしなりの決断だった。
もうこれからは…寂しいなんて言ってはいられない。
あたしは…母親としてひとりで愛する子供達をずっと守って行かなければならないんだもの。
成瀬さんに…甘い媚薬に溺れてはいけないんだ。
やっぱり…きちんと終わりにしよう…
「成瀬さん…だから…もうあたし達は…」
そう言いかけた時、あたしは成瀬さんの温かい腕の中に引き摺り込まれた。
「ゆうの決断したい気持ちはわかる。わかるけど俺は…ゆうが必要なんだ…離れるのは嫌なんだ。」
成瀬さんはあたしを慈しむように髪や背中を撫でる。その手はかすかに震えていた。
「成瀬さん…」
彼の気持ちが痛い程伝わってくる。
温かい腕の中に埋もれながら、涙を堪えることが出来なかった。