サミシイカラ…ウソツキ
一瞬…ドキッとした…
成瀬さんからふわりといい香りがして…やだ、あたし今顔赤いかも…
「ほら、お返し。あ〜ん。」
成瀬さんが苺をあたしの口元へ。
ウブな子供じゃないんだから、ここで断るのも何か変よね…
意を決してあたしもパクリと苺を食べた。
「美味しい?」
いたずらっ子のような顔であたしを覗き込む。
「美味し…」
良く冷えた苺は瑞々しくてとても甘かった。
酔った勢いも手伝って、あたし逹はふざけながら苺とチョコレートを食べさせ合った。
初めて会った人なのに、年甲斐も無くはしゃいでしまった…何だか久しぶりだな…こんな雰囲気。学生の頃に戻ったみたいで楽しかった。
「ねぇ、この後少し時間あるかな?ちょっと詳しく聞きたいこともあるし。ここじゃちょっと賑やかすぎて話しづらいからさ。」
会計を済ませ、成瀬さんは仕事モードの真面目な顔であたしに聞いてきた。
確かに仕事の話をするにはこの店内はいつの間にか混雑し、相当賑やかになっていた。気が付くと成瀬さんはあたしの会計まで知らぬ間に払っていた。
おごってもらった上にワインや料理、カクテルまでご馳走になっていたあたしは、さすがに断れなかった。
「じゃあ…少しだけなら…」
「よっしゃ。とっておきの場所へ案内するよ。」