サミシイカラ…ウソツキ
いつもより念入りに化粧をし、スーツに着替えた。
時間を見ると、午後1時。
これから直接ホテルへ向かいますとメールした。
マンションを出て、駅へ向かう。
いつもの通勤時間とは違う穏やかな人通り。午後の秋風は冷たいけれど、朝に比べれば温かい。
あの公園からは、小さな子供逹の楽しそうな声が聞こえる。
この住み慣れた街の時間も車の流れも、空気もいつもと同じに流れてるのだろう。
あたしだけが、そこからはみ出しているように思えた。
歩き慣れた道程と見慣れた景色なのに、あたしの足と気持ちは、いつもの日常から遠ざかっていく…