サミシイカラ…ウソツキ

暁人の野球への想いは母としても良く解っているのだが…暁人本人にも迷いがあるのも良く解っている。



暁人の担任や学習塾の講師達は、公立の進学校もしくはもっとﾊｲﾚﾍﾞﾙの高校も安全圏だし、その中にも中堅だが甲子園出場経験もある学校もあるからと言われれば、迷うのは当然だ。



あたしだって暁人の気持ちを尊重してあげたい。



暁人はまだ15才。人生の指針を一人で決めかねるのは若すぎる。



だからこそ父親の賢人にも相談したいのだが、｢今、忙しい。後で聞くから。｣ と常に突っぱねられてしまうのだった。



しかし志望校を決めなければならない時期なので、暁人とよく話し合った結果、幾つかを受験して合格してから決めようと言うことに収まった。