泣いてはいけない歌
泣いてはいけない歌
僕は一枚の
DVDをプレーヤーに
セットし、
“再生”を押した。
そしていきなり彼女の
ドアップ画面が
現れ、
笑顔を見せた。
「コホンッ
匠、見てますか?
…うわ 恥ずかしっ」
僕はニヤけながら
言う彼女を見て
クスリと笑う。
それからまた
話を続ける彼女。
「ねぇ匠…
あたしと居て
幸せだった…?」
うん…
とても幸せだったよ。
そして僕は今日も
“泣いてはいけない歌”
を聞くんだ――――。