Sommerliches Doreiek〜ひと夏の恋〜
次の日、めずらしく拓也が私の家に迎えにこなかった。

「じゃあ行ってきまーす。」

「拓也くん来なかったのね。遅刻しないように急ぎなさいね。」

「はいはーい。」

私は拓也がこないといつも遅刻ギリギリだ。

でも、どうしたんだろう。

風邪でも引いたのかな……


バカなのに。笑


いつもなら何でもない会話をして、いつのまにか学校に着いていたのに。

なんだか今日はすごく長く感じる。

同じ道。同じ景色の流れ。

違うのはただ隣に拓也がいない。たったそれだけなのに……


通学路がいつもの何倍にも感じた。

「やば、遅刻だ。」






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