Sommerliches Doreiek〜ひと夏の恋〜
「……けよ。」
「えっ?」
立ち止まった拓哉。
聞き取れなくて聞き返すと、急に力一杯に抱き締められる。
「白鳥居なくなって辛いんだろ?だったら我慢すんなよ、泣けよ!!」
「……!!だって……泣いたからって、優斗が帰ってくるわけじゃな……」
私の中で何かせき止められていた物があふれ出た。
文章にならない言葉で優斗の居なくなった悲しみや、怒りとか色んな感情を拓哉の胸にぶつけて。
拓哉の胸がびしょびしょになるくらい泣いた。
「私……私は……」
「……うん。……うん。」
拓哉はうん、うん。て頷きながら私の言葉を受けとめてくれた。