Sommerliches Doreiek〜ひと夏の恋〜
黒いキャンバスに白や青の小さな光る穴がちりばめられている。
その時の私がこうして言葉にして感じていたかは分からないけれど、そこには確かに"綺麗"な星空が広がっていた。
「あれ何か知ってるか?」
こんなぶっきらぼうな言い方も私は嫌いじゃない。
男の子は嬉しそうに天の川を指差している。
どこか誇らしげで楽しそうなその顔が私には格好よく見えたのだった。
「あまのがわ。って言うんだぜ。」
「あまのじゃく?」
「違うよ天の川。いっぱいの星が川みたいに流れてるだろ?」
「うん。」
雲一つないその日。
天の川は何に邪魔をされることもなく、悠々と大空という大地を誇らしげに流れていた。
「アレとアレ見える?」
男の子は天の川の側に光る2つの星を指差す。