Sommerliches Doreiek〜ひと夏の恋〜
秋桜の咲く道
夏休みが終わり学校が始まる。
校舎の屋上から大きな大きなたれ幕が下がっていることに、気付かない生徒などいない。
『女子陸上部1000メートル 全国中学校体育大会第三位 佐竹 亜季さん』
そう、亜季はとうとう全国大会で三位になったのだった。
「すっごい大きなたれ幕だなぁ。亜季すごいな。」
私は校門の前で立ち止まりそのたれ幕を眺める。すると。
「うひやぁ。なんか恥ずかしいなこれ。」
亜季が私の横に現れた。
「亜季!おめでとう、すごいね。っていうか髪の毛切ってる!!」
トレードマークのポニーテールをばっさりと切って、男の子みたいな短髪になっていた。
「うん、全国大会で結果残すまでは切らないでおこう。って願掛けてたから。」
「やったね。亜季の夢叶ったんだね。良かったぁ。」
私は亜季を抱き締める。
「ありがと、琴音。」
亜季もぎゅーって私を抱き締めた。
「こらー。朝っぱらから何してんの?妬いちゃうだろ、亜季。」
そこに現れたのは佐野くん。
私はその台詞に気付く。
「え、え!?えーーーっ!!まさか、2人付き合ってるの?」
亜季と佐野くんが照れながら頷いた。
また一つお似合いのカップルが誕生したみたいです。