Sommerliches Doreiek〜ひと夏の恋〜
お昼休み。
美穂は岡崎くんとお弁当を食べに、隣の教室に出ていった。
亜季と私は2人でお弁当を食べる。
「なんかアレだね。白鳥が居なくなって寂しくなっちゃったね。」
「うん、優斗は賑やかだったからね。」
亜季も勿論、私達が付き合ってたことは知っていたし。
突然の別れも話した。
だから、ただ寂しくなった気がしたんだ。
クラスメイトとしての優斗が居なくなってただ寂しかった。
「あのさ……琴音。」
「ん、なに?」
亜季は食べかけの箸を置いて、辺りを見渡す。
そして何かを確認すると、小さな声で言うのだった。
「美穂から鷲尾のこと聞いたよ。……その、鷲尾と付き合っても良いんじゃないかな?」
バカだな亜季。
そんな申し訳なさそうな顔する必要ないのに。
「良いんだ。拓哉のことは大好きだけど、これで良いんだよ。」
「本心?」
じっと私の瞳を覗き込む亜季。
「うん、本心だよ。」
私は笑ってそう返した。
「そっか。なら、それで良いやね。」
亜季も笑う。
「さ、食べよう。」