Sommerliches Doreiek〜ひと夏の恋〜
同じ天の下
「おい、白鳥から手紙が来たって本当かよ!?」
次の日の朝、拓哉が私に詰め寄ってきた。
「え、何で知ってるの?」
「二組の長谷川が郵便配達のバイトしてて、お前んちの近く担当してるんだとよ。」
プライバシーもあったもんじゃないな。なんて冷静だったら言えてたかもしれないけど、私は冷静とはほど遠い感情の中にあった。
「うん。本当だよ。……それで拓哉にも読んでもらいたいんだ。」
「え……どういうことだよ?」
私は拓哉を見つめた。
たぶん涙で潤んだ瞳をしてて、なんか女の子みたいでズルいなと思った。
拓哉は一度だけ目を逸らしたけど、「分かった」と一言言って、自分の席に戻っていった。