Sommerliches Doreiek〜ひと夏の恋〜
白い封筒を切る。
逆さまにしたそれからパサっとまず落ちてきたのは一枚の写真だった。
「……綺麗。」
煌めく星空を切り取ったそれに2人で見とれる。
「……これ、八年前だ。」
拓哉が写真の隅に書かれた日付を指差して言った。
私はそこでようやく気付く。
「これ、私と優斗が初めて会った時の流星群の写真なんだ。」
パタパタパタっととても古い映画みたいに、コマ送りにされて私の頭に記憶が蘇る。
「中身これだけ?」
拓哉に言われて、私は封筒を覗きこんだ。
そこには封筒サイズに丁寧に三つ折りにされた便箋が二枚入っていた。
私はそれをゆっくりと抜き取るのだった。