Sommerliches Doreiek〜ひと夏の恋〜
「あ、暑ーーい。なんなのこのかんかん照り。」
私は白いワンピースに白い帽子の物語の乙女みたいな格好で、ぶーぶーと文句を垂れながら山を登っていた。
汗が買ったばかりのワンピースに染み込む。
少しは上手になった化粧もこんな汗かいてたら落ちちゃうよ。もう。
「……はぁ。ちょっと休憩。マジ無理。」
私は数メートル先に見えた大きな木の下で休憩を取ることにした。
ギラギラと輝いてる太陽の光を木の葉が遮る。
それだけでビックリするくらい涼しいと感じた。
「……何回来ても変わんないんだなぁ。ここは。」
山から見下ろした街並み。
わずかに増減した建物、工場。
でも変わんない私の街。