Sommerliches Doreiek〜ひと夏の恋〜
あれから六年の月日が流れ、あんなダラダラだった私も今や大学生になっていた。
中学3年の時、頭を抱えても抱えても進路を見つけることができなかった私。
もしかしたら高校生活の中で何かやりたいことが見つかるかもしれないし。と総合学科の男女共学の高校に進んだ。
やっぱりって言うか、何て言うか。
人生を変えるような出来事なんてそうそうあるわけでもなくて、ダラダラと二年間を過ごした。
そして高校3年の夏。それはやってきた。
私の人生を変えるような出来事が。
高校で知り合った祥子(しょうこ)と高校最後の思いで作りにオーストラリアに旅行に行く計画をたてたのだった。
2人で一生懸命バイトして資金を貯めて、いろいろと現地のことを調べたり、パスポートを取りに行ったりと。
準備万端だった。
オーストラリアに経つ朝。私に祥子からのメールが届いた。
「ゴメン琴音。39℃の熱出ちゃった。」
本当に縁起でもないけど、マジで空が落ちてきた感覚だったな、あれは。