Sommerliches Doreiek〜ひと夏の恋〜


キャンセルも考えたけど、せっかく計画もたてたし、キャンセル料だってバカにならないし。

私は1人で行く決心を固めたのだ。


異国の空を見て、別世界だって思った――

異国の人に触れて、学校で習った英語の使えなさを嫌ってくらい実感した――

異国の食は私にはあんまり合わなくて、初めて卵掛けご飯が食べたい。と願った――

異国の風は、どっと吹き抜けていって、私のダレた背筋を伸ばした――

異国の景色に心奪われて。

地元の空は低いのだと知った。

世界一の一枚岩を登った時、世界の広さに怖くなった。

世界一の綺麗な水と空気を堪能して、なんだか心が洗われた気がしたけど、今思うと気のせいだったかも。



幾つもの写真を撮って帰ってきて、現像した写真を沢山の人に見せると、予想外に誉められてしまった。


その時、唐突に美大に入ることを決意した私は、今美術大学の三回生になっている。

正直周りは昔から美術一筋です!!みたいな人達ばかりだからキツいこともあるけど、意外となんとかなるもんだと私は思ってる。





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