Sommerliches Doreiek〜ひと夏の恋〜
中学最後の年。
優斗から届いた手紙は今でもとってある。
それが今の私達を繋げてくれている絆みたいなものだからだ。
「京子ちゃん相変わらず可愛いねぇ。」
拓哉の彼女、京子ちゃん。
私の彼氏、貴士。
優斗の奥さん、真由ちゃん。
「ははは、琴音なんだかおじさんみたいだよ。その台詞。」
ここ二年はずっとこの6人で会っていた。
この時期になると毎回。
星を見るために私達は集まっていたんだ。
「あ、あの、私お邪魔じゃないかな?せっかくのあれなのに、私だけいても……」
京子ちゃんは凄くヒトに気を遣える良い子。
2つ年下だけど完璧に馴染んでいる。
「良いの良いの。私達が3人で会う理由なんて四年前の流星群の日に叶ってるんだから。」
「そういうこと。お前は本当誰にでも気を遣いすぎ。こんな奴らに気なんか遣わなくて良いんだよ。」
聞き捨てならない拓哉の台詞。
「なんだと?この口か?この口が言ったのか?」
私は拓哉の頬を鷲掴みにする。
それを見て優斗と京子ちゃんが笑っていた。