Sommerliches Doreiek〜ひと夏の恋〜
男の子は私の手を取り、少し離れた小川まで引っ張る。

小さな小川は小学生ではジャンプするのは難しいくらいだった。

「ここにいて。」

「えっ――?」

男の子は私を小川の側に立たせると、私1人を置いて更に下流へと行ってしまった。

いくら星空といえど暗い。

私は淋しさと怖さで、座り込み涙を流した。

「――くんどこぉ?1人嫌だよぉ。」

小川のせせらぎにすら飲み込まれる小さな声。

私はその男の子の顔と名前を思い出せないでいる。





声を出すのすら怖くなってもう涙を止められなりそうだった、そんな時。

「織姫星ー!!」




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