Sommerliches Doreiek〜ひと夏の恋〜
「琴音(ことね)、そろそろ起きなさーい。早くしないと拓也(たくや)君来ちゃうわよ。」
キッチンからのお母さんの声で、私はようやく布団から出て、着替えを始める。
「ふぁ……眠い。」
いつも私は幼なじみの男の子と登校している。
鷲尾 拓也(わしお たくや)は幼稚園の頃からずっと一緒で、中学三年生になった今でも一緒。
いわゆる腐れ縁てやつだね。
拓也はスポーツ万能で女子から人気がある。
頭は良いのかもしれないけど、勉強はできないから、よく私がノートを見せてあげたりする。
とは言っても
私だって勉強は得意じゃないんだけどね。