Sommerliches Doreiek〜ひと夏の恋〜
それから私が泣き止むまでの間、私たちはずっと空を眺めていた。

いや、正確には空に浮かぶ織姫星と彦星を。だ。

「オレな、琴音のこと好きだよ。」

「えっ。」

突然の下手な告白。

私は真っ赤になる。

「これから琴音が今みたいに泣いてる時には、オレ、さっきみたいにどんな川だって飛び越えて助けに行くから。」

「――うん。」

それから二人で手をつないでパパ達の居る駐車場まで帰っていった。

泥だらけになっていた男の子はママに怒られて泣いてしまっていたけど、私には世界中の誰よりも格好よく見えていたんだ。






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