Sommerliches Doreiek〜ひと夏の恋〜
教室についたのはチャイムのなる少し前だった。
美穂と亜希は何故か私の机で話をしている。
「おはよ琴音。あれ?今日はキューティクルのノリがいまいちだね。」
「おはよー琴音。おっ、久々に鷲尾と一緒だったんだ。」
私は2人の前まで走っていく。
「あ、あのね2人とも。驚かないで聞いて欲しいんだけどね……」
「……?」
2人は不思議そうに顔を見合わせてから、私に頷いた。
「私もしかしたら、嫌ほんとにもしかしたらなんだけど……拓哉のことが好きなのかもしれない。」
私の突然の言葉に2人はまた不思議そうに顔を見合わせた。
そして
「うん。てか今さら自覚したの?」
「――へ?2人とも驚かないの?何で?」
「いや、だって知ってたし。前からそう言ってるじゃん。」
う、うそーん。
2人が驚いてアレやコレやと質問攻めにされると思っていたのに。。。※自意識過剰
「でも、ま。琴音がやっと自分の気持ちに気付いたんなら良かったよ。」
「本当だねー。って……え?」
私は急に背中が重くなるのを感じた。
なんだこれ?背中があったかい。
「琴音、久しぶり。」
横を向くと、この前見かけた転校生の綺麗な顔が目前にあった。
っていうか、私今抱きしめられてるーーーーっ!!?
とんでもない登場の仕方をしてみせた転校生。
どうやらあっちは私のことを知ってるみたいだけど、私は彼に覚えが無かった。
はたしてこの転校生と私との接点とは!?