Sommerliches Doreiek〜ひと夏の恋〜

「おーっす拓哉。今日から次の大会までね間よろしく。」

テニスコートの横の芝生で着替えているのは男子テニス部の人達だ。

部員はたったの8人。

それも私や拓哉が一年生の時に新設された部だから部室すらなく、こうして茂みに隠れる様にして着替えている。

でも実際は見えてるから、学校はさっさと部室をあげたら良いと思う。

最近は地区の大会で買ったりするようになってきてるし、練習頑張ってるしね。
「あれ、鷲尾くん?」

茂みの奥から聞こえた声に拓哉が嫌な顔をする。

ひょこっと顔を出したのは、今拓哉が一番会いたくないと思っていた優斗だった。

「な、なんで白鳥がテニス部にいるんだよ?」

あからさまに嫌な顔をしている拓哉に、優斗は佐野くんばりのキラースマイルをお見舞いしてみせる。
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