Sommerliches Doreiek〜ひと夏の恋〜
放課後にテニス部の茂森君が拓哉の元にやってきた。
二、三ことばを交わして、拓哉が逃げるように教室から出ていった。
「――拓哉?」
私は無意識のうちに走りだしていた。
「琴音?どうしたの、そんな急いで。」
途中で亜希と美穂にすれ違ったことさえ気付かないほど、必死で。
校門まで駆けていくと拓哉の背中を見つけた。
「拓哉!!」
後ろから聞こえた声に振り返る拓哉。
その目に写ったのは……