Sommerliches Doreiek〜ひと夏の恋〜
「おーーっす。って、ん?珍しくお前ら席に着いてると思ったらテスト勉強かぁ……」
勢い良く入ってきたのは二年の時から担任の間(はざま)先生。
あだ名は勿論、カンペー☆
だって間だもん。
「オレもテスト前は休み時間に必死に勉強したもんだよ。まぁ、ぶっちゃけ無駄な努力だったけどな。はは。」
おい、それが勉強している生徒に朝一番に掛ける言葉か?
しかも、そんな満面の笑みでか!?
「ほんじゃあ、五分漬けを邪魔する朝の会を始めるぞー。残念だったな森岡、おまえ日直だから勉強できないなぁ、はっはっは。」
カンペー。あんたって人は……汗
も、森岡も泣くなって。
あ、ぼそって「終わった」ってつぶやいた。
そっか、してなかったんだね?昨日のうちにテスト勉強してなかったんだね。
「キーン、コーン、カーン。」
そんな森岡の終わった感じを告げる鐘がいつもより悲しく聞こえたのは、きっと私の気のせいなのでしょう。笑