君だけに夢をもう一度 15の心
「竹中は仲間なんだ」
「仲間・・・・・・どんな仲間なの? 」

「バンドをやる仲間なんだ」
正和は、少し照れて言った。

「俺も竹中も、高校に行ったら音楽をやるんだ。だから、竹中もギターを披露できる機会ができて、がんばりすぎているんだと思うんだ」

正和は、真紀子に竹中の考えを素直に伝えた。
そうすれば、竹中の演奏を理解してもらえると思ったからだ。

「そう、わかったわ。でも、二人とも高校に進学する目的が音楽だなんて、私には理解できない。それだけの価値があるの? 」
真紀子が冷たく言い返した。

「なぜ、そんなことを言うんだ・・・・・・?」

「私は、音楽なんかやっても、何にも意味がないと思ってるわ。もっと、今から真剣に将来のことを考えるべきよ。そうじゃなきゃ・・・・・・そうじゃなきゃ、後悔するだけよ」

真紀子は強く強調して言った。







< 105 / 239 >

この作品をシェア

pagetop