君だけに夢をもう一度 15の心
「今日は、小田君は勉強会には来ない」
正和が、自分の部屋に入ってきた竹中に報告した。

「どうしたんだ? 」
竹中が心配した。

「よくわからないが、しばらくは学習塾にも勉強会にも来ないらしい。今朝、小田君から電話があった」

「病気でもしたのか? 」

「はっきりと言わなかったが、家の用事があるらしい」
「家の用事って、家の手伝いとか? 」

「家は美容院だから、小田君が手伝うのは無理だろう」

「そうか・・・・・・でも、せっかく雑誌を持ってきたのに」
竹中がカバンから女性雑誌を取り出した。

「おまえ、よく女性雑誌を持ってるな?」

竹中は、毎週のように女性雑誌を持ってきて、小田に渡している。
どうして、そんなことができるのか、正和は不思議だった。

「ある人から貰っているんだ」

竹中は、父親が経営する工場で働く若い女性従業員に頼んで、読み終えた女性雑誌を譲ってもらっている。











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