君だけに夢をもう一度 15の心
真紀子が、トイレから部屋に戻ってきた。
二人は黙り込んだ。

「あと、5分間だけ休憩ね」
真紀子が腕時計を見て二人に言った。

「・・・・・・」
「・・・・・・」

沈黙が続いた。

竹中は、静かで真面目なものだった。
いつもは居眠りをしたり、気を抜くことがあるが、それができない。

竹中にとって、真紀子がいることで息苦しさを感じる。

「どうして、俺たちの勉強会に参加したんだ? 」
思い切って正和は、真紀子に疑問だったことを尋ねた。

それは、竹中も同じだった。

「小田君に頼まれたの。しばらく、山本君の勉強を見てくれないかって・・・・・・」

「小田君とは知り合いなの? 」
「母親同士がね。子供の頃は、よく一緒に遊んだ仲だけど」

「小田君に何かあったの ?」
正和は、小田のことで何か知っていないか真紀子に尋ねてみた。

「理由は言わなかったけど、しばらく頼むって言ってた」

「えっ! ずっと!! 」
真紀子の言葉に、驚いて竹中が口をすべらした。











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