君だけに夢をもう一度 15の心
休憩時間。

姉が、ショートケーキとホットコーヒーを運んできた。
姉は、真紀子に気を使って女性が好む食べ物を用意した。

正和は、姉が自分の様子を窺うように見えた。
普段は、勉強会で正和の部屋に来ることがない姉が、珍しく部屋を覗くようにして来たからだ。


「ありがとうございます」
真紀子が、姉に礼を言う。

「出来の悪い弟ですけど、よろしく御願いしますね」
姉が笑顔で言った。

「正和、ちゃんと勉強するのよ」
と、言って姉は部屋を出て行った。

姉の言葉は、変な気を起こさないようにと注意しているようにも聞こえた。










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