君だけに夢をもう一度 15の心
勉強会が終わった。
正和が玄関外で真紀子を見送る。

「今日は、いろいろありがとう」
正和が真紀子に礼を言った。

「明日、文化祭の合唱会だから、がんばりましょう」
真紀子が明日のことを気にかけて言った。

「朝、7時に学校に集合だったな」
明日は、朝早く合唱の練習することになっている。

「私、どうしても合唱会は優勝したいの」
真紀子は自信ありそうに言った。

「竹中にも気を抜かないで演奏するように言わなきゃな」

「私のプライドにかけて、優勝したい」
その表情は、気の強い真紀子だった。

「じゃ、明日ね」
真紀子が自転車に乗る。

「雨が降りそうだから、気をつけて」
雷が鳴るのを聞いて、正和が心配そうに言う。

自転車に乗って帰る、真紀子の後ろ姿を正和は見ている。

その時、正和は、今まで遠い存在に思えた真紀子が、身近な友人に思えていた。






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