君だけに夢をもう一度 15の心
「そのとおり!!」
正和も竹中の言葉に共感した。

「実は、サザンの歌で不思議なことが起こったんだ」

「不思議なこと!?」
今度は、竹中が正和の言葉に興味を示した。

「コンサートが始まった時は、恥ずかしくて観客と一緒に歌ったり踊ったりできなかった。でも、時間が経つにつれて、サザンの音楽に心が踊らされる感じになったんだ。すると、いつのまにか、歌っている自分がいたんだ」

「それが、音楽の力だ」
正和がコンサートでの不思議な出来事を話すと、竹中が納得するように言った。

「それで、バラード曲になったら、今まで自分が野球で挫折したことが頭の中に浮かんできて、なんか感傷的な気分になったら、急に涙が出てきたんだ。こんな体験をしたのは生まれて初めてだった」

「音楽って、奥深いな・・・・・・」
竹中は、音楽のすばらしさに感心した。













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