君だけに夢をもう一度 15の心
正和は、全速力で走った。
学校から、その病院までは10キロほどの距離がある。

正和は、激しく息ぎれしながら病院の中に走り込んだ。
時計を見ると、午前10時を過ぎていた。
合唱会の時間まで1時間前だった。

病院の受付で真紀子のことを尋ねた。

「中田さんだったら、今朝、退院しました」
検査入院だったため、検査を終えて帰ったとのことだった。

「えっ!? 」
正和が驚くと同時に気が抜けたように座り込んだ。

「山本正和君ですか? 」
受付の女性が尋ねた。

「はい」
「担任の先生から、さきほど連絡がありました」

正和は、立ち上がった。
「中田君は学校にいます。だから、早く学校に戻ってきなさいと、連絡がありました」

「えっ・・・・・・!?」
その言葉を聞いて、正和は、再び、がっくり疲れたように座り込んだ。









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