君だけに夢をもう一度 15の心
旅姿六人衆
正和と竹中は、小田に誘われるまま、真紀子の母親が経営する小料理屋にいた。

店は薬院駅近くの雑居ビルにあって、名前は『津波』だった。

店はカウンターだけしかない小さなものだった。

白木のカウンターに三人は座った。

カウンターの中で和服姿の静香が料理をしている。

以前、静香は中州にスナックを出していた。
一度だけ、成人式の時、真紀子が正和と竹中を母親の店に連れてきたことがあった。
その時以来、会っていなかった。

静香は、もうすぐ還暦を迎える年齢だが、そんな年齢を感じさせないほど若く綺麗だった。

靜香は、三人の姿を見た瞬間、驚きと感激で出迎えてくれた。







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