君だけに夢をもう一度 15の心

小田の告白 ①

1984年11月。
勉強会の日。
正和は、ひとりだった。

真紀子は、ケガのため勉強会には参加できない。
小田からは連絡がない。

竹中がやってきた。
竹中は、いっも以上に元気がある。

「今日は、勉強会は参加できないんだ」
竹中は嬉しい表情で言った。
竹中が小田のために用意していた雑誌を持ってきた。

「なんかあるのか? 」
竹中は、ジャケットを着て髪を整えてめかし込んでいた。
その姿を見て、正和が尋ねた。


「実は、今日は菜々子ちゃんとデートなんだ」
竹中は、にゃけて言った。

「小田君には、連絡をとったのか? 」
竹中が気にかけた。

「今から連絡して、家に行ってみようと思う」
正和が答えた。

「そうか・・・・・・今日、一緒に行けなくて悪いな」

竹中は、すまなそうに言った。
その後、うかれながら部屋を出て行った。










< 141 / 239 >

この作品をシェア

pagetop