君だけに夢をもう一度 15の心
ドアを開けると小田が立っている。

小田は黒のトレーナーにジーンズ姿だった。
ボサボサ頭で、やせ衰えている。


正和は、台所にあるテーブルに座った。

「どうぞ」
小田が、グラスに入ったオレンジジュースを正和の前に置いた。

「ありがとう」
正和が言った。

小田は、正和とさし向かえに座った。

「元気そうじゃないか・・・・・・」
正和は、小田の表情は暗いと思ったが、励ますつもりで言った。

「・・・・・・」
小田は下を向いた。

「竹中から、これ、預かってきたんだ 」
正和が、手さげ袋から女性雑誌を取り出した。

「・・・・・・」
小田は、雑誌にも反応しない。










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