君だけに夢をもう一度 15の心
正和が部屋の前で待った。

襖(ふすま)の向こうから、サザンの『素顔で踊らせて』の歌が聞こえてきた。
小田がカセットテープを流している。

小田は何をしているんだろう。
不可解な行動と思いながら、正和は待った。

「小田君・・・・・・何しているの? 」
10分程経って、正和が気になって襖に近寄って声をかけた。

『素顔で踊らせて』が、リピートで流れている。

「いいよ」
襖の向こうから、小田の声がした。

「入るよ」
正和が襖を開けた。

小田は背中を向けたままだった。

「小田君、どうしたの? 」
正和が声をかけた。

小田がゆっくりと振り返った。

「えっ!! 」
正和は、小田の顔を見るなり仰天した。



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