君だけに夢をもう一度 15の心
襖を開けたのは、小田の母親だった。

「りょうちゃん!!」

母親が化粧している息子を見て唖然とした。

小田は、母親から、逃げるように部屋を飛び出して、トイレの中に駆け込んで隠れた。

「りょうちゃん!」

母親がトイレのドアを叩きながら、息子を呼んだ。
小田からは返事がない。

正和は、何か悪いものを見たような気がした。

「小田君、また来るよ」

正和は、トイレの中の小田に言った。

「おじゃましました」
と言って、母親に一礼して帰った。



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