君だけに夢をもう一度 15の心
「どうして、あの子、あんなふうになったのか、私にもわからないの」
「・・・・・・・」

「私の育て方が悪かったのかな・・・・・・」
「・・・・・・・」

「あの子、変なところがあって・・・・・・でも、母親として、これ以上、あの子を傷つけたくないの」

「・・・・・・」

「あなたに迷惑かけることになったら、あの子は傷つくと思うの。だから、あの子には、もう会わないでほしいの」

母親の言葉に正和は、耳を疑った。

「会わないでほしいって、どういうことですか? 」
正和は反論したように言った。


「俺、迷惑だなんて思ってません。小田君は仲間だと思っています」
正和は、はっきりと言った。

母親は、正和が言ったことが意外だったことに驚いた。

バスが来た。

正和が母親に礼をしてバスに乗り込もうとした。

「待って! 」
母親が正和を引き止めた。

「あの子のこと、よろしく御願いします」
母親は涙ぐみながら、正和に深く頭を下げて言った。






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