君だけに夢をもう一度 15の心
「私の経験から言わせてもらえば、本人に自覚を持つことね」
「・・・・・・」

「そのうえで、何か目的や目標を持つことね」

「目的や目標ですか・・・・・・? 」
正和が聞き直した。

「そうよ・・・・・・私も、あなたぐらいの時に、自分が男でありながら女の心を持っていることに気づいたの。その子みたいに病気じゃないかって思ったりもしたわ」

「・・・・・・」

「でも、それは病気じゃなくて生まれつきのものだったの。それを受け入れたら、なんでもないように思えたわ」

「それで、どうしたんですか? 」
正和は、興味深く尋ねた。

「それで、自分ができることをやろうと思ったの。私の場合はダンスだったけどね」

「そうですか・・・・・・それで」
正和が聞きたいことを言うのをやめた。



< 157 / 239 >

この作品をシェア

pagetop