君だけに夢をもう一度 15の心
二人は、バス停の待合い椅子に座った。

しばらく、二人は黙ったままだった。

「小田君・・・・・・」
正和から話かけた。

「・・・・・・」

「何か、やりたいことでもあるの? 」
正和が聞きた。


「・・・・・・・」
小田は黙ったままだった。

「もし、良かったら、自分と一緒に高校に行って、バンドをやらないか? 」
正和は小田の表情を見ながら言った。

「僕、美容師になりたいんだ」
小田が答えた。

「僕、昔から女性のファッシヨンなんか興味があって、美容的なことに関心があって・・・・・・それで、お化粧したら何か自分が綺麗になった気持ちになったんだ」

「・・・・・・」
「女の人って、お化粧したら、こんな気持ちになるのかって、そう思えば、思うほど、自分は、その気持ちに近づいてゆくんだ」

「・・・・・・」

「ある日、お父さんから、お化粧した姿を見られた時、ものすごく怒られたんだ。それで、おまえは病気だって言われた」

小田から涙がこぼれ落ちた。






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