君だけに夢をもう一度 15の心
「それで、お父さんは、僕がこんなことになったのは、お母さんが悪いと責めたんだ。そのため、僕のせいで両親は別居しているんだ」

「・・・・・・」

「こんな、自分じゃ、高校に行ったって、皆にバカにされることはわかってる。それで、高校には行かずに美容師の見習いの仕事をしようと思った。でも、お父さんからは反対された」

「・・・・・・・」

「だから、やけになって、もう学校になんて行きたくないと思ったんだ」
小田は涙を手を拭いながら話した。

「小田君は病気なんかじゃないさ。生まれつきそうだっただけさ」
正和は、小田にハンカチを差し出して言った。

小田がハンカチを受け取った。

「両親が別居したのも、小田君のせいじゃないと思う。それに、美容師の仕事は素敵な仕事だと、自分は思っている」

正和は、はっきりと言った。






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