君だけに夢をもう一度 １５の心

NEVER FALL IN LOVE AGAIN

「まさちゃんのおかげで、高校三年間は楽しく過ごせたわ」
小田が栞に、学生時代の頃を懐かしく話した。

「でも、よくご両親が美容師になることを許してくれたわね？」
栞が疑問に思ったことを小田に尋ねた。

「結局、両親は離婚して私は母親と暮らしたの。それで、お母さんは、あなたの好きなようにしなさいと言ってくれたの。それで美容師になれたの」

「そうだったの」
栞がうなずいた。

「でも、高校卒業してから、小田がこんなふうになっていたなんて、知らなかったよ。高校時代なんか、そんな面影なかったもんな」

竹中が感心した。
竹中は、かなり酔っている。

「まさちゃんと約束したの。男をつらぬくって」

「まさちゃんは知っていたんだな。俺はぜんぜん、わかんなかった。二人で俺を騙していたんだな」

竹中は酔っているため、少しいじけた言い方をした。