君だけに夢をもう一度 15の心
「そのほうが、小田にとっても自分達にとっても、一番いいつき合いができると思ったんだ」

正和は弁解するように言った。

「そのおかげで、バンドメンバーになれて楽しく過ごせたの。初めは、どまどいもあって、どうしたらいいか、正ちゃんにも相談したの。そうしたら・・・・・・」

「そうしたら・・・・・・」
竹中と栞が、小田の話に注目した。

「そうしたら、宝塚の男役を見てみろって、まさちゃんがアドバイスしてくれたの。それをまねたら、けっこう、うまくやれたんだ」

小田は、宝塚スターの男役のような口調になっている。

「おだちゃん。器用だね」
栞が感心した。

突然、店の扉が開いた。

「やはり、ここにいたのね!」
一人の女性が店に入ってくるなり、栞に言った。

正和、竹中、小田、三人が一斉に注目した。

「お母さん」

女性は、中田真紀子だった。






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