君だけに夢をもう一度 15の心

竹中の思い ①

1985年2月。

受験の2週間前。

学習塾の帰り、正和と小田は、天神のレコード楽器店にいた。
二人は、楽器を見に行った。

「小田君は、どれを買うんだ?」
「まだ、決めていないけど、シンセサイザーかな・・・・・・山本君は? 」

「いろいろとあるからな・・・・・・」

二人は、あれこれと店の中にある楽器に触れては迷った。

この頃の正和は、受験の準備ができていた。
なんとか、希望校の合格ラインの学力に達した。
あとは、受験の日まで学力を維持するだけである。

少し気が早いようだったが、希望校に合格できたら、入学祝いで親からエレキギターを買ってもらう約束だった。
そのための品定めをしていた。

二人は、楽器売り場からレコード売り場へと移動した。
サザンのシングルレコードを見に行った。

『ジャズマン』と『わすれじのレイド・バック』を、正和は買った。
それは、サザンがシングルのみしか発売していない歌だった。


















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